2040年、ヨーロッパでは全てのガソリン車が運転禁止になります。
これに伴い、各車会社はEVこと電気自動車の開発で競争しています。
米国では、彗星のごとく現れた
テスラ社が注目を浴びていますね。
テスラの代表取締役、
イーロン・マスク氏はIT畑の人間で、オンライン決済システムのPayPalの母体の製造者であり、宇宙開発を専門にするSpace X社の代表でもあります。
彼とテスラ社の登場により、古株が多い保守的な車社会に、新しい風が吹きました。
テスラのモデルX
テスラ社に対抗し、ポルシェなどの高級自動車メーカーも次々にEV開発を発表しています。
その中でも世間を驚かせたのが、フェラーリのEV市場参加です。
ガソリン車でこその音とスピードがEVで再現できれば、テスラ社に負けない市場を確保できるのではないでしょうか。
フェラーリのEVモデル
スウェーデンの名車、ボルボも今後全ての生産をEVにすると表明しており、ドイツのヴォルクスワーゲンも2025年までに30種以上のEVを製造すると発表しています。
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では我が国日本の車はどうなっているのでしょう。
トヨタとマツダが資本提供を結んだのが記憶に新しいですね。
特筆しとくべき点は、この提携が
業務提携ではなく資本提携であったことです。
詳しく述べますと、マツダとトヨタはお互いに500億円分の株を割り当てたのです。
これは、短期的な協力ではなく、長期的な関係性を構築する、本気度がわかりますね。
ではなぜ、トヨタはマツダを選んだのでしょう。
これは、マツダが作った
「アクセラ・ハイブリッド」がきっかけでした。
ハイブリッドカーは高度な技術が必要であり、当時ブレーキの構造に悩んでいたマツダはトヨタの技術を借り、ハイブリッドを製造しました。
しかし、この新しいマツダのハイブリッドは、ベースの技術はトヨタのものを使いましたが、それを更に改良したモデルになったのです。
これがマツダのアクセラ・ハイブリッドでした。
マツダのアクセラ・ハイブリッド
アクセラ・ハイブリッドの走りに感動した豊田社長は、ここで提携の意思を固めます。
しかし、マツダもトヨタもEVの開発では遅れています。
世の流れはますますEVになっていく中、
グーグルや
アマゾンなどの、IT系の会社も車業界に参入してきました。
今後、如何にトヨタ・マツダがEVの開発を進められるかによって、日本車が国際市場に生き残れるか否かが決まることになります。
ですが悲観的になる必要はまったく無いと私は思っています。
なぜトヨタのEV技術がここまで進んでいないのか、それは、トヨタがまず
水素に目を付けたからです。
世界でも、「
水素カー」の知識と技術はトヨタが最も長けているといっても過言ではないでしょう。
ただ、インフラの整備などの問題で、水素は少し時代が速すぎたようです。
ガソリン車がどんどん無くなっていくと、ガソリンスタンドなどを有する石油元売会社が低迷してしまいます。
その為、2016年に自由化したエネルギー業界にシフトしている会社も多々あります(エネオスなど)。
もし水素カーの普遍化をいち早く実現することができるなら、これらのガソリンスタンドを水素スタンドにして雇用を守れることに加え、EVよりも環境にやさしい車を実現することができます。
トヨタ・マツダにはEV開発をもちろんがんばってほしいですが、この水素カーの更なる開発にも期待しています。
新しい技術が日々生み出される中、今が車会社にとって正念場ですね。
トヨタには、世界のトヨタであり続けて頂くためにも、心より応援しています!
トヨタのFCV(水素カー) MIRAI
引用:
トヨタとマツダがEV戦争に「結婚」で挑む事情 - 東洋経済新聞
トヨタとマツダ、業務資本提携に関する合意書を締結 - トヨタ グローバルニュースルーム
トヨタがマツダにだけ株取得を認めた理由 - President Online